24年かかってやっとたどり着いた、僕のスモークサーモン。

11月1日発売の家庭画報12月号にも撮り上げていただきました僕のスモークサーモンのお話です。

 スモークサーモンを初めて作ったのはフランスでの修業時代、アヌシーのオーベルジュ・ド・レリダン。
シェフのマルク・ヴェイラ氏の料理は斬新で、軽くスモークした生々しいサーモンをバターでこんがり焼いた薄切りポテト
とハーブで挟み、ハーブ(野草)の利いたソースで生温かく食べる料理で、鬼才マルク・ヴェイラさんらしい、オリジナリティー溢れる、完成度の高い料理でした。
 僕はその当時28歳、自家製のスモークサーモンを作れるのが嬉しくてたまらなかったのを憶えています。
シェフの知り合いの木材加工場に行き、おが屑をもらってきて、レストランの裏庭の焼却炉の様なものでスモークしました。
 しかし、このスモークサーモンは、ポテトとソース、ハーブとの組み合わせが絶妙で美味しいのですが
スモークサーモンのみをそのまま食べるとそれほど美味しくありませんでした。
いつか、そのまま食べて美味しい絶品スモークサーモンが作りたいと思っていました。

 数年後、山中湖のホテル(XIV山中湖)の料理長になりました。
XIV山中湖の名物料理を作りたい、山中湖はフランスのアヌシーと同じように、標高約1000メートル、
スモークサーモンを研究し、何度も失敗を繰り返しやっと、美味しいものが出来ました。
スモークサーモンは塩水に漬けこみ、塩抜きし、乾燥させ、オイルにつけ込み、乾燥させ、8時間燻製します。
全工程で4日かかります。 1度失敗するとまたやり直し4日かけ、2か月ぐらいかけて、やっと完成しました。
このスモークサーモンは、大好評でエクシブ山中湖の当時の名物になりました。<約18年前です>
数年後、エクシブ伊豆の料理長になり、同じやり方でスモークサーモンを作りました。
しかし、美味しく出来ません、伊豆高原は寒冷地の山中湖と違い気温が高いのです。
1月の一番寒い日の夜中にスモーカーに更に氷を詰めて挑戦し、なんとかまあまあの燻製が出来ましたが、
やはり、環境の違いに伊豆でのスモークサーモンを諦めました。

 さらに数年後東京銀座のみつ和GINZAで働いている時、寒冷地でなくても作れる、美味しいスモークサーモンを開発しました。
山中湖で作った冷薫のスモークサーモンとは少しタイプは違いますが、そうとう美味しく出来ました。
 そして今年、更に改良の結果、僕が28歳の時から目指していたサーモンにやっとたどり着きました。
テロワール・ビストロ・ドゥ・カワバタでお出ししています。
「こんなに美味しいスモークサーモンを初めて食べた」と御客様が言ってくださいます。
サーモン自体が持つ良い香りと燻製の香りが何ともいえず食欲をそそります、サーモンの美味しさを引き出している塩加減、後味の心地よさ、僕も本当に大好きです。でも更なる進化も狙っています。
シャンパーニュやクレマンというスパークリングワイン、辛口白ワインとの合性は抜群です。
僕が初めてスモークサーモンを作ったサヴォワ地方のワインと合わせるのも凄く楽しく、美味しい食べ方です。
テロワールカワバタではサヴォワ地方のワインも数種御用意しております。
川端清生
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プロフィール

川端清生

Author:川端清生
kawabata sugao

2014月 9月
テロワール ・カワバタ
東京外神田に開業

新宿調理師専門学校卒業
国内のレストラン、ホテルを経て渡仏
メゾン・マルク・ヴェィラ 3つ星
ジャン・ピエール・ビュー 2つ星
ロアジス 2つ星
ジョルジュ・ブラン 3つ星
パティスリーダニエル・ジロー
4年間のフランス修行後
ホテルやレストランの料理長となる
数々の料理コンクールで優勝

クラブ アトラス理事
国際料理コンクールボキューズ・ドール2003日本代表
フランス料理アカデミー日本支部会員
ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会日本支部会員
国際料理コンクールボキューズ・ドール日本代表選考審査委員
日本ソムリエ協会シニアソムリエ
日本酒利酒師
焼酎利酒師

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